帯状疱疹ワクチン定期予防接種についてのお知らせ
2025年06月14日
帯状疱疹ワクチンの定期予防接種及び任意予防接種
令和7年4月から帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象となりました。
この予防接種は、個人の重症化予防のために実施するもので、接種を受ける法律上の義務はありません。
また大田区では帯状疱疹ワクチンの定期予防接種に加え、定期予防接種の対象者に該当しない50歳以上の任意予防接種対象者にも費用助成を行っています。
帯状疱疹とは
周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありませんが、これまで水痘にかかったことがない小児等には水痘を発症させる可能性があります。
また、皮膚症状が治った後も、50歳以上の約2割の方に3ヶ月以上の長い間痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHN)になる可能性があります。
帯状疱疹ワクチン
水痘・帯状疱疹ウイルスを弱毒化あるいは無毒化させたウイルスを注入することで、
免疫が素早く働くように促し、帯状疱疹にかかりにくく、また重症化しにくくなります。帯状疱疹ワクチンには、2016年に認可された「乾燥弱毒生水痘ワクチン」と2020年に認可された「シングリックス」の2種類があります。
乾燥弱毒生水痘ワクチンの発症抑制効果は50%程度なのに対して、シングリックスは97%程度と非常に効果が高いとされています。
乾燥弱毒生水痘ワクチンはウイルス活性を弱めた“生ワクチン”ですが、シングリックスは病原性をなくしたウイルスの一部のみを使用した“不活化ワクチン”なので安全性も高く、免疫が低下している方にも接種することが出来ます。
効果持続期間については、乾燥弱毒生水痘ワクチンが5年程度なのに対して、シングリックスは9年以上も効果が持続します。
2種類のワクチンの比較した表は以下の通りです。
乾燥弱毒生水痘ワクチン | シングリックス | |
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
帯状疱疹発生抑制効果 | 51.3% | 50歳以上 97.2%
70歳以上 89.8% |
帯状疱疹後神経痛抑制効果 | 66.5% | 50歳以上 100%
70歳以上 85.5% |
効果持続期間 | 5年程度 | 9年以上 |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
接種回数/接種間隔 | 1回 | 2回/1回目から2ヶ月後 |
適応年齢 | 50歳以上 | 50歳以上 |
副反応 | 局所反応、発熱
水痘様発疹(1-3%)など |
局所反応、筋肉痛、倦怠感、頭痛など |
長所・短所 | 長所
・費用が安い ・接種回数が1回 ・副反応が少ない 短所 ・予防効果がやや落ちる ・免疫低下している方には接種できない |
長所
・予防効果が高い ・免疫低下している方にも接種可能 短所 ・費用が高い ・接種回数が2回 ・副反応が比較的強い |
定期接種自己負担額 | 4000円 | 11000円 |
任意接種自己負担額 | 4000円 | 11000円 |
(参考文献)
Oxman MN,et al. N Engl J Med.2005;352(22):2271-2284.
Lal H. et al.: N Engl J Med.372(22),2087-2096,2015
Cunningham AL. et a.:N Engl J Med.375(11),1019-1032,2016
帯状疱疹ワクチンは予約制ですので、まずは電話でお問い合わせください。
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広浜浩司